L'ATELIER de Joel Robuchon

カジュアルに一流のフレンチが楽しめる、六本木ヒルズにある「L'ATELIER de Joel Robuchon(ラトリエ ドゥ ジョエル・ロブション)」。この春、中学生になる息子と一緒に訪れた。

ここは、かつて妻(当時は彼女)と一緒に訪れ、味のオモシロサに感動した店。まさか、そこへ息子と来られるとは。

ただ、それだけで感慨深く、じんわりとホッとな気分になる。

まず、オープンキッチンで繰り広げられる光景がホットだ。手さばき、連携、仕上げの妙。見ていて飽きない。スタッフには外国人も多い。もちろん、店内のお客さんも、国籍は様々な様子。そんな雰囲気がまたまたホットだ。

メニューを選ぶ。息子もアラカルトではなく、簡単な3コースにした。

前菜から。

私と息子は、「真鯛のカルパッチョ仕立て シトロンビネグレットと共に」を。妻は「帆立貝のミ・キュイ 海藻バターと共に」。一口食べた息子は電気が走ったかのような衝撃の顔で、旨いを連発。フォークとナイフを使い、それっぽく口に運ぶ姿に、またホットになる。

残ったソースは、まず3種類出されたパンと一緒にいただく。ロブションは、パンが半端ない。ドリンクは、シャンパンを。息子も高級のぶどうジュースをワイングラスで飲む。

メインは、息子が「仔羊背肉を香草パン粉と共にロティ 季節の野菜を添えて」、妻は「京都産 窒息鴨モモ肉のコンフィとポテトピュレを重ねパルマンティエ風のグラタンにして」。私は「サワラ しっとりと焼きあげて根セロリのクーリと共に」。パンの2回目の提供。シャンパンから白ワインに変えて、私は魚を、妻は赤ワインに変えて肉を。息子も、シャルドネのぶどうジュースから、カベルネの赤のぶどうジュースへ。

複雑な味、かつ丁寧な風味。

「小学生が来る店じゃないね」とつぶやきながら、仔羊をほおばる息子は、そう言いながらも大人の仲間入りできた感覚で、少々誇らしげな表情。それを見ていると、将来、二十歳になった息子と、今度は本当にワインを一緒に飲めたりするのか、と想像すると、ホットになる。

デザートは「なめらかなショコラのガナッシュ ビタークッキーでコーティングしたカカオのグラス」と「苺のパブロヴァ あまおうのソルベとメレンゲをアクセントにして」。

ジュースも前菜もメインも、息子にとっては「大人の風味」が、ちょっと大人すぎたようだが、デザートは、ど真ん中ストライクに、超絶美味しかったようで、心からの笑み。ホットだ。

飲み物も、背伸びして「紅茶」を頼んだ息子だが、それは、飲めなかった。ホットだ。

初めての3コースランチを家族そろって来られるようになったことに、改めてホットになれた。